イエズス会を設立母体とする五つの学校法人の合併について
泰星学園 理事長 増井 啓
上智福岡中学高等学校 校長 大石 英雄
5月も半ばとなり、新緑の美しい季節となりました。平素より、同窓会の皆様におかれましては、本校の教育にご理解・ご協力をいただき、感謝致しております。
さて、このたび、カトリックの男子修道会であるイエズス会を設立母体とする五つの学校法人:上智学院・六甲学院・栄光学園・広島学院・泰星学園は、2016年4月を目途とする、法人合併に向けての契約書を3月27日に締結いたしました。これを機に、本校が平素よりお世話になっている同窓会の皆様に、法人合併の趣旨をご理解いただきたく、一言、ご報告させていただきます。
先ず、この合併についての話し合いを始めるに至った経緯についてご説明致します。数年前、設立母体である宗教法人カトリック・イエズス会は、今後の会の事業の継続と発展を見据えた際に、イエズス会員(司祭・修道者)の高齢化と会員数の減少により、どの事業にも平等に会員を派遣し続けていくことには困難があることを認識致しました。そこでこの課題を解決するために、教育事業においては、上智大学には優先的に会員を派遣することにし、各中学高等学校には、会員がいなくなっても、補充する形での派遣は今後見合わせることになりました。そこで、事業の責任を担うことの出来る会員の人的支援の確保とイエズス会教育の継続性を図るために、法人を一つにする必要性を感じ、イエズス会は、エリザベト音楽大学を除く各学校法人に合併の可能性を探らせ、検討させました。これを受けて、上智学院、六甲学院、栄光学園、広島学院、そして泰星学園の事業責任者ならびに会の準備委員会は数年間検討を行い、このたび合併に向けて協議することになりました。
次に合併の形態についてですが、法人合併は行うものの、それぞれの伝統を保ち、特色を生かすために各中学・高等学校は上智大学の付属学校とはせず、校名もこれまでのものを基本的に変更しないことになりました。また、それぞれに有している卒業生、保護者、後援者の組織はそのまま継承いたします。さらに、日々の教育活動や進路指導なども、基本的に変えない方針です。ただ、正式に合併した際には、法人名は泰星学園から上智学院に変わることになります。
次に本校における今後の展望についてですが、本校では、これまでも、イエズス会教育の充実のために高大連携を通して、上智大学教授陣による生徒向け授業や、教員養成事業を始めとする様々な提携事業を行って参りましたが、それらを継続し、さらに大学との連携を深め、幅広い教育・研究資源、世界に広がるイエズス会教育機関とのネットワークをもとに、グローバル化の時代によりふさわしい教育・人材養成を行っていくことを目指していきたいと思っております。また、イエズス会を設立母体とし、教育理念も同じ一つのものを共有している五つの学校が法人合併によってさらに緊密な関わりをもち、よりよい教育を目指していくことが出来るよう、努力して参りたいと思います。
今後、来春の正式合併に向けて、まだ検討すべき課題かおり、今後とも皆様のご理解とご協力が必要となります。また、官庁への届け出が終わり、無事認可されました暁には、再度皆様にご報告する予定でおります。皆様のご支援、ご協力を重ねてお願い申し上げます。