色とりどりの紫陽花の中に佇まれる学園の聖母に見守られて、今朝も元気に生徒たちは登校しております。同窓会の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
今年度は4月9日に入学式が行われ、81期生163名が森晃太郎神父の祝福と上智大学西澤茂副学長の祝辞をいただき皆様の後輩となりました。緊張も束の間、新入生たちは翌日から始まる唐津での2泊3日のオリエンテーション合宿で「誰もが気持ちよく過ごせるクラスづくり」について、先生の手を一切借りずに全員で話し合い最終日に発表する課題が出されます。すると面白いことに司会を務める人、我先に意見を言う人、意見を上手にまとめる人、大きな模造紙に彩りよろしく絵も交えてきれいな発表用ポスターを作る人など、にわかに一人ひとりの才能が輝きだし、最終日に額に汗して発表するころにはみんなすっかり打ち解けておりました。
6月1日は天気に恵まれ体育祭を行うことができました。体育祭は本校の目指す「より大いなるものを知り、他者に奉仕し、世界の架け橋となるリーダー」を育てる大切な教育の場です。こちらも先生は手出しせず、練習から本番まですべてを生徒に運営させています。目玉の応援合戦は時代とともに変わり、中1ダンス、男女集団行動、パネル、演舞、チアダンスが行われ、しかも演舞、チアダンスは男女の隔たりはございません。100名近い高校指導員が直前10日間にそれぞれの演技指導をする中で縦横の強いきずなが生まれ、今年もよくぞここまでと感心するほど全員が熱中し、先輩後輩が一体となった体育祭を作り上げるまで成長してくれました。
6月10日には隣の動植物園に協力して制作した動物園西門前「おもてなし花壇」の除幕式の様子が地元メディアで取り上げられました。福岡市は花による共創のまちづくりを進める「一人一花運動」を行っており、その拠点となる動植物園と昨年度協定を結び協力させていただいております。これまでも、植物園での「一人一花サミット」にて吹奏楽部が演奏したり、ボランティア生が「一人一花スプリングフェス」にて市役所ふれあい広場にハートの花壇を作りました。今回の花壇のゾウの絵柄は7月に園に4頭来る予定のゾウにちなんで高3の鈴木心菜さんがデザインし、ボランティア生たちが日々水やりや清掃を行っております。
私が本校に赴任した40年前には出来立てのイエズス会修道院に10名を超える神父がおられ教壇に立ってくださっておりましたが、福岡教区で司牧活動をされていたオチョア神父が昨年4月に四谷のイグナチオ教会に転任され今はだれもおられません。そんな中、1932年から続くカトリック学校として、これまで人生をかけて奉職してくださった神父、先生方のご恩を忘れず、この福岡の地で己を愛するが如く隣人を愛する人をこれからも育ててまいります。どうぞ今後とも皆様の母校への一層のご支援とご協力をよろしくお願い致します。