聖イグナチオ学院基金へのご寄付のお礼

東ティモール・聖イグナチオ学院基金
現地世話人 浦 善孝 2023年10月8日

上智福岡泰星会会長の中島様をはじめ同窓会会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。この度は聖イグナチオ学院基金宛に寛大なご寄付(2023年5月8日付、400,000円)をいただけましたこと心から感謝しお礼申し上げます。合わせてお礼を申し上げるのが、遅くなりましたことおゆるしください。

東ティモールの聖イグナチオ学院(Coégio Santo Inácio de Loiola/中学校高等学校)は昨年創立10周年を祝いましたが、11年目のこの5月20日の独立記念日に思いがけず東ティモール政府より功績を称える功労賞の勲章(Medalha de Mérito á Comunidade de Colégio de Santo lnácio de Loiola)を授与されました。

16世紀に始まったポルトガル植民地時代の後(その間3年半は日本が占領)、1975年から24年間のインドネシア占領、3年間の国連統治を経て2002年に初めて独立国となった東ティモールの学校教育の新構築に聖イグナチオ学院が取り組んできたことを、評価されました。この7月31日の聖イグナチオの祝日には、東ティモールの現大統領ラモス・ホルタ氏(ノーベル平和章受賞者)の臨席のもとにメダル受賞を全校挙げて祝いました。

東ティモールは、独立戦争で荒廃した教育を独立国として一から構築しはじめ、本校は同国のモデルスクールとなることを目指してまいりました。かつての占領国の教育言語(インドネシア語)やカリキュラム(教科書)の代わりに、本校は自国の教育言語(ポルトガル語とテトゥン語)の普及とカリキュラム(教科書)に従ってきました。その結果、毎年実施される卒業検定国家試験では本校生が文系・理系とも毎年1位を獲得できています。また本校は、21世紀に開校されたカトリック学校としての使命を「学びたいすべての子どもたちが、貧富の隔たりなく学べるきちんとした学校」という目標を達成しようとしています。その結果、裕福な家庭と極貧の家庭から通う生徒たちが一緒に机を並べて学び、文化活動や運動に取り組む学校が出来上がりました。これも、東ティモール政府が評価した点です。2025年に東ティモールのASEAN加入が実現できそうですが、その承認のプロセスにおいて本校は教育分野でモデルスクールとしてASEAN諸国の調査団を受け入れました。

しかしながら、政府からの経済的支援は微々たるものです。モデルスクールとしての「よい教育」は、皆様からのご寄付なしでは実現できませんでした。その意味で、聖イグナチオ学院の功労賞の勲章受賞は、ご協力くださっている皆様との共同受賞だと思っています。これまでの皆様からのご協力に、心からお礼申し上げます。あ
りがとうございました。

皆様に神様の祝福が豊かにありますよう、お祈りいたします。お元気にお過ごしください。