校長 大石 英雄

校長挨拶 上智福岡中学高等学校 校長 大石 英雄

 初夏のまぷしい日差しの中で南公園の緑も一層色濃くなってまいりましたが、同窓生の皆様におかれましては益々ご清栄のことと存じます。

 さて、この4月に72期生173名(男子106名、女子67名)が入学してきました。共学生も高校1年生まで進み、学校の様子も随分と変化して参リました。校名変更から5年目を迎え、泰星として最後に入学してきた67期生も高校3年生となりました。

 校名変更に伴い、教育内容も少しずつ変わってきています。特に英語教育につきましては、従来の大学受験に特化した英語教育から、英語によるコミュニケーション能力を高めるぺく、読む・書く・聞く・話すといった4技能をバランス良く習得できるものへとなっています。また、グローバル化の時代に生きる生徒たちのために、思考力・判断力・表現力を主とするいわゆる活用力を身につけさせるために、新たにS・F・O(Studies
For Others)という教科を今年度より立ち上げました。この教科及び研究のねらいは、国内外の貧困問題をテーマに取り上げ、キリスト教ヒューマニズムを土台とし、「貧困のない平和な世界作りに叡智で挑むグローバルリーダー」の育成を目指すものです。貧困問題は、決して容易に解決できるものではありませんし、もしかすると答はないのかもしれません。しかしながら、それを阻害するあらゆる要因を分析し、国や地域を越えてよリ多くの人だちとの協働により、今できる最善の一歩を踏み出すといった経験は、これからの時代においてとても必要とされる素養の一つになり得るものと考えます。

私たちが携わる中等教育の使命は、当然ながら時代や世の中のニーズに応えるといった側面を有していますが、上智福岡はどのように世の中が変化しても決して変わらないもの、キリスト教の隣人愛に基づく教育を、着実に行っていかなければならないと思っています。

 最後になりましたが、卒業生の皆様のご多幸と、泰星学園同窓会の益々の発展をお祈りいたします。

平成27年6月

学校法人 秦星学園
上智福岡中学高等学校
校長 大石英雄