校長 大石 英雄 2020年度(令和2年度)挨拶

校長挨拶 上智福岡中学高等学校 校長 大石 英雄

薄暑の候、同窓生の皆様におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申しあげます。

さて、2月下旬に政府より新型コロナウイルスの感染拡大により全国の小・中・高に対して休校要請がだされました。それに従い本校では3月2日に卒業式を簡略化して行い、学年末考査をすることもなく翌3月3日に放送による終業式を行いました。その後、緊急事態宣言を受けて、休校が続きまして入学式の中止や体育祭、修学旅行、語学研修の中止など学校行事においても大幅な変更をせざるを得ない状況になりました。休校中、本校の教員たちは在校生に向けての課題作成およびその郵送、また、オンラインでの授業動画を発信するための研修やその準備に追われました。そして、4月下旬より、オンラインによるホームルームを開始し、授業動画ならびに課題の発信などを行ってきました。5月14日に福岡県の緊急事態宣言が解除されたことを受けて、本校は5月25日より分散登校を開始しました。登校初日は、新入生(77期生)に対して、放送による入学式を行い、中2から高3に対しても25日と26日の2日間にかけて放送による始業式を行いました。5月28日から授業の開始となりましたが、6月中旬までは高3を除いて、他の5学年は1クラスを2グループに分けての分散登校としました。現在、密を避けての学校生活や授業を展開しておりますが、確かに教師は生徒たちへ知識は与えることはできますけれども、生徒たちの人間的な成長といったところではとても不安を感じています。なぜなら、それは様々な学校行事や活発なホームルーム活動、部活動といった場で生徒同士あるいは教師とのある種密な触れ合いの中で、互いに影響を及ぼし合いながら育まれるものと考えているからです。とは言え、今は学校としてできうることに最善を尽くすと同時に、コロナウイルスが少しでも早く終息してくれることを祈るばかりです。

5月25日にようやく新入生195名(男子123名、女子72名)を迎え入れることができました。例年通りであれば、入学直後に2 泊3 日のオリエンテーション合宿があり、友達も多く作ることができるのですが、今年はそれもかなわず、皆寡黙に不安そうに登校してきています。友達作りも含め、学校生活に少しでも早く慣れ親しむことができるよう働きかけをしていきたいと思っています。

最後になりましたが、コロナが終息するまでにはまだまだ時間がかかりそうで、厳しい日々が続くと思われますけれども、卒業生皆様方のご健勝と同窓会の益々の発展を心からお祈り申し上げます。